五大の人生日記

日々感じたことや、思いついたこと、思い出などを
書き綴っていきます。

東京の思い出 1

昔、高田馬場というところで仕事していたことがある。
付近に専門学校や大学が多く、かつて学生街と呼ばれたところだ。
早稲田大学のお膝元として有名でもある。


早稲田大学は高田馬場から地下鉄で1駅先が最寄であるが、
学生はケチって高田馬場から歩くことが多い。
そのため、早稲田通りは学生がゾロゾロと数珠つなぎの列に
なっていたりしたものだ。


この付近の飲食店は学生向けで安いところが多かった。
ランチなどで、けっこう入った記憶がある。


が、早稲田大学の近くに見つけた、某学生食堂には入ったことがなく、
当時、どうしても入って食事したいと思っていた。


注)ほとんどの人は知らないが、学生食堂はファミレスのようなところでは
ない、学食やカフェのようなところでもない。こぎれいでおしゃれな飲食店
しかしらない今風の人に説明は難しいが、もっと小汚くて飾らない店である。


しかし、昼時はどうしても混むので、ある平日の午前中の時間
まったくのプライベートでその店に食べに行った。


店には客は誰もいなかった。店主と思われるオジサンが
「いらっしゃい」と言った。
かねてから食べたかったある定食を注文した。


私はこの頃、30代ぐらいだったと思う。学生食堂なんて
久しぶりで、もう懐かしさで感動の嵐だった。


オジサンは「おまちどお」と言って料理を持ってきた
そしてにっこり笑って私に話しかけた


「試験どうだった?」
「え?」一瞬わけがわからない私である。


「今日、試験でしょ?」
「は、はあ・・」凍りついた笑いを浮かべ、私は黙りこくってしまった。


どうやら、この日は早稲田大学では試験の日で、私は早大生と間違われて
しまったのだ。30代のオッサンが大学生に間違われたのは少しうれしかった
が、


今思うと、早稲田大学という学校は30代ぐらいの学生もけっこういて、
別に珍しくないのかもしれなかった。


どっちにしろ、この学生食堂は一般人が少ない生粋の学生食堂だった
ようである。


今はこの店はない。それどころか学生街の雰囲気は薄れ、
すっかり様変わりしてしまった。


当時の面影をしのぶものに、かろうじて早稲田松竹という映画館(名画座)
がある程度だろうか。ここもいったん時代の波でつぶれかけたが、有志に
よって存続させているという。


存在は当時から知っていたが、私はこの映画館は入ったことがない。


なぜか。名画座なんて、そこそこ大きな都市ならたいていの所に
あったからである。映画文化のあるところに名画座もあるのであり、
別に珍しいものではなかったのである。


それがこんな貴重なものになるなんて。さすがに1人では入りにくいが
(昔は余裕で入れた)彼女がいたら真っ先に入りたい。
昔のデートの定番に映画館で映画鑑賞というのがあったのだから。












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