五大の人生日記

日々感じたことや、思いついたこと、思い出などを
書き綴っていきます。

いいものもってる

高校生の頃、


私は普通科に行っていたが、国語に古典(古文、漢文)と
いう科目があった。割と真面目に勉強した記憶がある。


正直、紫式部だか、清少納言だか、知らないが、大昔の
言葉を覚えて一体何になるのだ?という思いが強かった。


英語なら少しは役に立つかもしれないが、
古文漢文なんて、社会に出てまったく役に立つことはない。


「いとをかし」とか、古語を覚えていると
傍らから父に「そんなの覚えて何になるんじゃ?
社会で金が稼げるのか?・・」とよく言われた。


注)父は工業高校(定時制)出身である。


しかし、先生が好きだった。


C市出身で、方言丸出し。国語の先生なのに、黒板に
丸文字(まんが字※)で書く先生だった。

※70~80年代に女子中高生の間で流行した文字。
なぜこの先生がこういう字を書いていたのかは不明


その先生は時々、授業中、古典とは関係ない話をはじめる
ことがあった。


「君たち運命ってどう思う?」
「人生の意味って何だろうね?」と哲学的な問いを発する。


それについて東洋哲学、老荘思想を使って説明することが
多かった。もともと中国文学が専門とか言っていたので
そういう分野に詳しかったのだろう。


その先生とウマがあったため、同級生の友人と遊びに行った。
教師の家に遊びに行ったのは生涯、この先生だけである。


むさくるしく、狭い2DKぐらいの
アパートに小さいお子さんと奥さんとで住んでいた。


お世辞にも金持ちそうには見えなかった。
その先生はアラフォーの、小柄な、さえないオッサンという
感じだったが、奥さんはかなり若いように思えた。


奥さんが私達のために、アイスクリームを買って戻ってくると、
先生が奥さんにあれこれ口うるさく指図していた。
意外にも亭主関白のようだった。


4畳半ぐらいの狭い部屋でアイスを食いながら 
人生論、哲学的な話をした。


そして先生は私に言った
「五大、お前って本当に変わってるよな。
でも いいもの持ってるぞ」


そのいいものが何か具体的には言ってくれなかった。
リップサービスなのかもしれない。


しかし、こういう教師の何気ない一言でその生徒の将来が、
地獄に叩き落されることもあれば、救われることもある、
・・というのが今、身にしみてわかるのである。


多感な時期に、人生論、哲学的な話ができ、リップサービス
であれ、「お前はいいもの持ってる」と言ってくれる教師に
出会えてよかったと思っている。




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