五大の人生日記

日々感じたことや、思いついたこと、思い出などを
書き綴っていきます。

話し方教室 1

「西日本最大級の都市」に住んでいた頃のことである。

ターミナル駅付近にある、話し方教室に通っていた。


すべてにおいて自信がなかった。人とうまく話せ、うまくつきあえ

なければ、社会でやっていけないと思っていた。


今はその教室はない。ブームなのかよくわからないが、当時は

その地域にたくさんあり、乱立していた感じだったのである。


講師は日焼け顔のサーファー風の中年男で、歯が異常に白く、声が

異常にでかかった。受講生は若いのは私と、近くにあるK大の学生

ぐらいで、ほかは中年以上の男女だった。


授業のおおまかな流れは大きな声で、発声練習、そして1人ずつ

壇上に上がりスピーチ、受講生とペアを組んで雑談の練習となっていた。


受講生は内向型のいい人ばかりだった。アタリマエである。

うまく人と話せるのならこんな所には来ない。


中年の方々との雑談は最初「私は口下手でして」とか「緊張してまして」

とかやたら前置きや言い訳から始まる人が多かったが、慣れてくると

そうでもなかった。以下はサラリーマン風中年男性との会話。


「五大君は、お酒は飲みますか?」

「ええ、飲みますよ」

「○○ビルの屋上で、今ビアガーデンやってるんですよ。

すごく安くて料理がおいしいんです。」

「へぇー・・・どこだろう?新地のほうまで行きますか?」

中年男性は笑いながら手を振って「行かない、行かない」と言った。

そしてカバンからメモを取り出し、地図を書いてわたしてくれた。

「考えておきます」と私は答えて締めくくった。


この「考えておきます」という言い方が私は気に入らなかった。

この地方では考えておきます=ほとんど行かないという意味だからだ。


(ボッチがひとりでビアガーデン行っても仕方ないだろ)という思いが

心の中にあったのだ。「今度つれていってくださいよ。」とか

「今度同僚or友達or彼女と行きますので」と答えるほうがいいのだ。


こういう、あのとき、ああ言っておけばよかったと後悔したり、反省する

のが、話下手の証明みたいなものである。


普通の人(外向型社交的人間)は反省も後悔もしない。言ったこと

などすぐ忘れてしまう。言いだしたら言い出しっぱなしなのである。(つづく)














鯛造を読む人の心理

加藤鯛造(タイゾー仮名)という心理学者がいる。著作も多く、私の世代では

その分野では権威的ともいえる人だ。


今でも信奉者がたくさんいるようであるが、私は完全アンチだと

断った上で、「私個人に限定した、単なる個人的感想」だということで

述べてみたい。


鯛造読むと、対人恐怖とか悩みは消えず、気分は暗く落ち込む一方で、

心の病なら治らず、むしろ悪化すると思っている。


人間心理について、非常に鋭く、細かく、分析的である。

「~する人に冷たい人が多い。心に葛藤がある。」とか「~する人、しない人」

というように常に二元的・対立的に書かれている。


しかも「~する人は○○的だ」というように時に断定的に書かれている。


対人関係を深読みしているかのようである。

(実際にはこれらは鯛造の人生経験に基づくものである。)


自分の経験から、対人関係を少しでもうまくしたいなら

何も考えない、裏を読まないことである。そして分析して相手をコントロール

しようとも思わないことだ


相手のイメージはすべて自分の妄想で、他人の心の中なんて

わかるわけがないという態度を貫くことだ。


もう、そのまんまでいいの


相手のことより自分の心の動きに敏感であるべきだ。

自分のご機嫌がいいか、こっちから嫌っていないか、注意するのはそっち。


合わない人に無理に合わす必要もない。相手が怒りまくっていたら

(今日は機嫌が悪い、何か日常生活で嫌なことがあったんだろう)

程度にとどめておくことだ。


鯛造は自分をダメな人間といい、劣等感についてさんざん書いているが、

この人は東大出てるのです。ちっともダメじゃない。


そんな人間が何で自分をダメだと言うかというと、周囲にエリートばっかり

いて彼らと競争する環境にいたから。そいつらしか見てないから。


そんなのこっちの知ったこっちゃないよね

東大でダメなら、私なんかどうなるの?蛆虫以下でしょ(自虐笑)


そして学校の勉強ばっかりやってると分別心が肥大化する。

比較、類推、分析の能力が発達する。それはテストの点を取るには

いいのだけど、生きていく上でかならずしも必要はない。


あまり勉強ができなかった人とか、いわゆるアホは、何も取り柄がないと

思われていたのだけども、分別心がさほど肥大化しなかったため、

細かいことに悩まず、すぐ忘れることができ、結果的にハッピーになれる、

というメリットが・・・実はあったのです。


その恩恵を忘れて、この秀才の脳みそに合わせて、知識仕入れて

相手の心理を分析し、相手の心理を深読みして一緒に悩む必要ってあるのだろうか?


エリートでもないのに、要らぬ荷物を背負う必要はあるのだろうか?


分別心の肥大化に燃料(エサ)を投下してはいかん。


鯛造を読んでいたとき、併行して読んでいた宗教(特に仏教)の本の

ほうが明らかに心が楽になった。なぜなら仏教は一般的に、分別心を

削るように教えている。それこそが苦しみの元だと。


カルトとか一部の宗教は別にして、昔から宗教ってのは人を苦しみから
救うのが専門だから、そのための知恵が集積している面は確かにあるね。


鯛造の本は逆方向だよね。「生きていくのが上手な人、下手な人」。AとBを

対立させて比較する、分別する。こんな類の本ばかり。


千日回峰行を二度満行した酒井雄哉師が生きておられたら何と言うだろう。

賢(かしこ)バカと一喝されるかもしれない


東大出て、大学教授で、本出しまくり、ラジオにも出てるような人なら

一生食いっぱぐれはないからどんな屁理屈でも言えちゃいます。


とにかく、ロクに学校出てなかったり、プータローならば、

心理分析はほっといて自分の人生の建設に注力したほうがいいと思う。


生計を立てること、将来、老後のこと・・やるべきこと、考えるべきことが

山ほどあると思う。鯛造は責任とってくれんよ。


前にどこかで書いたかもしれないが、犬は心理学学ばなくても

シッポ振ってるだけで好かれると。

鯛造読まなくても、きっと幸せに生きられる。私は確信している。













悪循環

「西日本最大級の都市」では強い対人恐怖に陥っていたため、バイトは

見つかっても、長続きするとは限りませんでした。

短期バイトもよくやっていました。だから非常に貧乏でした。


そんな精神状態で、のちに就職も経験しますが、今思うと正直、

無茶な話でした。


短期バイトですが、泊まりで 三重県の四日市市に派遣され、そこの

食品工場で 排気ダクト清掃の仕事をしたことがあります。

 割といいお金になりました。


排気ダクトの中に入り込み、そこに焦げ付いている
ようなものをヘラみたいなもので、こそげ落としていく
のが主でした(ケレン作業といいます)

で、後でわかったのですが、こういう作業はたくさんの
破片が落ちてくる上、粉塵が発生するので

ゴーグルや粉塵マスクで顔を覆ったほうがいいのですね。

そういうものをあらかじめ、自分で用意しておいて
持参すべきだったのです。

ところが私は実に世間知らずでした。

例えば工場で使うつま先に補強金具が入った安全靴なども、
どこでもそういうものは会社側で貸与してくれるもの、
と思っていたのです。

必ずしもそうではありません。そういうものを全サイズ、

買いそろえて 貸与していると会社側は負担が大きいのです。
持参するのが暗黙の前提になってることもあります。

だからホームセンターでそういうものが売られているのですね。

ゴーグルとマスクがなかったので、それなりにキツイ展開
になりましたが(風邪用のマスクを同僚に1枚だけもらって、

それを繰り返し洗い、唾液でベトベト、臭くなるまで使っていた。

また眼鏡をしていたので、多少マシだったとは 思います。)

そして、宿は”まかない”が付き、入浴もできましたが、
個室は与えられませんでした。知らない中年男性と
相部屋ということになりました。

中年男性は四六時中ひとりごとを言っていて、
一言も会話しませんでした。

何泊かの後、ダクト清掃が全部終わり、現地解散になり
ました。

帰りは近鉄特急で「西日本最大級の都市」に帰ることができました。
途中までその中年男性と相席で座ってましたが
一言も会話しませんでした。

現場にいた人の話ではその中年男性を「オヤジ」と
呼んでいました。例の病で、ときどき、短期で来ている
とのことでした。


短期バイトは人間関係が楽なのですが、次にまた見つけたり、

面接に行ったり手間がかかります。ブランクが空くことも

珍しくありません。収入が非常に不安定になります。


収入が安定しないから、生活も不安定になり、

精神も不安定になるのです。それで、仕事が思うようにできず、

収入が安定しないから・・という悪循環が延々と続くのです。


この気づきに到達するまで、私はけっこう時間がかかりました。